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搭乗ロビ(2002.12)
小さなトラブル詳細
デリー空港の出国セキュリティチェックで担当の兵隊から「お前のセカンドバックに乾電池が入っているので、取り出せ」言われた。大きなバックの中のセカンドバックから最初の2本を出したら「もっとだ」と言われ乾電池を計4本を取上げられた。同時にボーディングカードも取られた。搭乗まで(約1時間後)には返すと言われた。その間、搭乗ロビーで表示価格で買い物をした。40分ぐらい経ったとき、ソフトドリンク売り場に行ってファンタグレープを頼んだ。市中の観光地で10ルピー(27円)だったと思い、また、ロビー内にユニセフのカンパ箱があったなと思いながら1USドル渡し、お釣りを待ったが、お釣りをよこさない。「ルピーでもセントでもいいので、釣りをよこせ」といったら、「ファンタグレープは1USドルだ」と言う。「高過ぎる!」と文句言ったが、店員は再度「1USドル」と言う。見回したがその店には価格表示は無い。その時はすでに飲んでおり、オーダする前に金額の確認をしなかった事を悔やんだ。「お前は泥棒だ」と捨て台詞を吐いたが、コーラ売りの若者にニコニコされただけだった。そういえば、成田空港ではファンタが400円ぐらいしたかもしれないので同じかなあ、と考えながら、席に座ってファンタを飲んでいたら、隣の日本人に「いくらでしたか?」と聞かれた。その人は、コーラが3USドルと言われたそうだ。やっぱり搭乗ロビーでは日本人がカモにされているのである。そういえば、ロビー内の業者は日本人と見ると「ジャパニーズ?」と笑顔で声を掛け店に寄れと言う。おかしなことになっていると思った。何か「狩猟場に来たカモはこんな気持ちかなあ」と、なんとなく落ち着かない。セキュリティーブースに行き、ボーディングカードを返すようセキュリティチェックの兵隊に言ったら「ノンプレグレム、ちょっと待て」という。見たら確かに2つずつ2種取られた乾電池が、1種1本ずつ無くなっている。確かにどこかでチェックしているのだろうと思い、安心して引き上げた。数十分が過ぎそのうち、搭乗が始まってしまった。早くボーディングカードを返しもらうため再度、セキュリティブースに行ったら乾電池が戻って4本になっている。「搭乗が始まった。私の乾電池のチェックは終わったかい?」と言ったら、「ちょっと待て。まだ時間があるよ。ノンプレグレム。」という。取上げられたのは、最新の2000MAと1700MAの充電式電池だった(4本で計800円)ので惜しかったが、面倒になり「乾電池を置いて行く」と言った。兵隊は笑顔でボーディングカードを返しながら「もうじきだったのに、ボーディングカードを渡したら乾電池は返せない」言った。その時の笑顔を見て「おい、兵隊まで日本人を鴨にするのか!やられた」と思った。兵隊だけは、インドのどこでも規律正しくて正直、誠実との印象があったので、残念だった。しかし、帰りの飛行機の中で同行者が旅行書に「国内線の飛行機には乾電池はおろか乾電池使用の機器まで、手荷物で持ち込めない」と書いあるよと教えてくれた。大韓航空の爆破墜落事件で乾電池状の爆弾が使われたり、薬きょうに似ているために、うるさいのだそうだ。さっそく旅行書を読むと書いてあった。それまで被害者気分だった。しかし、この件では私が悪く、兵隊は仕事に忠実だったのである。多分、兵隊の笑顔も、外国から来てお金を落としてきた旅行者の心象を悪くしないための、お愛想笑いだったに違いない。
私の兵隊への印象は前に戻った。「やはり貧しい国の兵隊は立派である。良い人材が入るのだろう」なんて思ってしまう。
しかし、空港内での「ぼり」は、市中での行為とは違う。市中の「ぼり」は民が貧しく、彼らから日本人旅行者はとんでもなくお金持ちに見えるからである。旅行者はそんなことは百も承知で対応している。しかし空港は国策事業であり「ぼり」は国の考え方の象徴でもある。日本でも空港内売店が「ぼる」ので、その利権を排除できない構造が批判を浴びている。批判を浴びているのは、業者は入札で入り込むのだが、一度入り込んだら、業者間で高価格の表示価格が協定されているようにしか見えず、その高価格だと業者は暴利を貪れることである。例えば、日本でのお酒の価格は、搭乗ロビー内の無税店よりも、市中の方が価格の何割も税金に取られているが何割も安い。しかし外人旅行者は分からないので、彼らは不愉快を感じている筈だ。インドと日本の空港は外人旅行者がリラックスできる香港、シンガポールやバンコクを見習うと良いと思うが、我々に出来るのは成田やデリー空港のリムジンバス、飲食店、土産店を利用しないことで、社会不正に加担しないという逃避型防衛しかないのが残念である。
空港へ行く前は、コンビニでお茶とおにぎりを買わねばならぬ。
羽田はコンビニがあるが定価のないものばかりを置いてあるインフレ価格のコンビニだ。普通の店を締め出しているのは、石原さんを長としているのに残念だ。


後記

インドにダイアモンド鉱山を持つ父親が死んで、ロンドンの寄宿舎で女の子がいじめを受ける「小公女」というイギリスの小説がある。
インドに来る前は博物館には、ダイヤとエメラルドがざくざくあると思っていた。実際にはイギリスに全部搾り取られたのか、博物館はガンジーやネールばかりだった。ラストでハッピーになった「小公女」はインドの富をロンドンでばら撒いていたのだ。

もうじき中国を抜き世界一の人口となる。
インドは一度は行ったほうが良いと思う。しかも超円高の今だ。米国とイラクの戦争が始まった時に、湾岸戦争時のように日本が何も出来ず、アメリカに我々の税金を搾り取られるだけだと、前回の湾岸戦争時のようにアメリカは景気回復し、日本は落ち込む。(日本国内に使うべき我々の税金の140億ドルをアメリカに支払ってから日本経済は落ち込み、アメリカ経済は上昇した。)そして現在、景気回復しそうな状況なのに数年先でもデフレで120円以上のままだ。円安の対米政策をうまく動ければ1ドルが150円以下時代になる。その時は日本は景気回復して、中国や世界をも従えた好況状態となる。しかし、そんな時代に行っても円高の感動は薄い。
数年後も120円以上だったら、大量失業社会に突入しているので、日本人に余裕があると思えない。

日本は政治が悪いので無理だろうなあと思ったりするが‥。

私はバックパッカーではない。
今回のインド旅行はインドに強いというエス・ティー・ワールド社のツアーに参加した。6日(ホテル3泊、車中1泊、帰りに飛行機1泊、全食事付き)で109,000円弱の安い費用のツアーであった。デリーの到着から出発までの全工程をガイドのカーンさんが付いた。また地域ごとにも別なガイドが付いた。常にガイドさんが横にいるので安全面で不安になことは無かった。物乞いや浮浪児などに対しても、しつこい人や、我々の服に触ったりした時は叱り付けて遠ざけた。現地で即席ツアーの要求にも応えてくれた。一般のツアーはみやげ店に連れて行かれてうんざりすることが多いが、今回は反対にこちらからみやげ店訪問を要求するまで案内は無かった。すれていないガイドさんで感謝をしている。
しかし、旅行会社の選定は失敗だった。私たちは50代の2人組だったが、いびきがうるさいので、そのほかに29,000円/人(ホテル3泊)の追加料金を支払い一人部屋を頼んだ(2人で58000円)。しかし、現地に着いてみると一人部屋の予約がされておらず、ガイドさんも初耳だったようだ。またデリーでは小さなホテルのバスタブの無いシャワーのみの、便器が壊れた、薄汚れた部屋に泊まらされた。便器の便座が割れているので座ると、壊れた所に段差が出来痛いのだ。朝食は卵とパンだったが、パンはガン発生が心配になるほど黒く焼け焦げていたが冷えていた。2泊目も安目の宿で、3泊目だけが普通のホテルだった。帰国してからSTワールド社に文句を言ったら5,000円/人が返ってきたが、大いに不満が残った。なにせこの時期、現地で交渉すればシングル部屋に一泊4,000円払うと結構なホテルの結構な部屋が取れる。STW社側の理屈はいろいろあるのだろうが、価格設定はインドが初めての旅行者の無知や心配に付け込んでいるのだ。帰国後のクレーム対応も悪かったし。今回の旅行で一番悪質だったのは日本の旅行社(STW社)だった。
もちろん、これは全ての旅行代理店が同じ問題を持っているのかもしれないが、私はSTW社に足元を見られた商売をされたので非常に悪い印象だ。
今回泊まった中で一番良かったホテルのアグラのアショカはインターネットの割引なし価格で39US$/SINGLE・1泊で受け付けていた。一泊目のデリーのビルパレスホテルは25US$/SINGLE・1泊だった。
ホテル2泊目はベラナシのIndia Hotel Veranasiだが値段は不明。誰か教えて下さい。多分ここが一番安い筈だ。
ビルパレスホテルの中。部屋はベットカバーが汚れていた。カーテンは触るとベトーとした。20000円を貰ってもこんな所に泊まりたくはない。せめて清潔なベットカバーやカーテン、毛布でもあれば、悪態も半減するのだが‥。こんな処に旅行者を泊めてしまう旅行社の程度が知れる。

早朝のビルパレスホテル。日本人が何組かいた。
12月にSTW社に苦情を言ったときに、ビルパレスホテルを使うのを止めることを検討すると言っていたが、どうだろうか?



時間が無いツアー旅行者の、昼間のインド内移動は少し高くても飛行機を利用する方が正解である。時間が無いサラリーマンやOLはツアーを選ぶ時、注意した方が良い。
今回のツアーは、デリー〜ベラナシ、ベラナシ〜アグラ間は列車移動であった。夜行のデリー〜ベラナシは、前述の写真のような体験が出来たし、時間的にも大正解ともいえる。しかし昼間移動(寝台列車利用)のベラナシ〜アグラ間は、乗車してすぐガイドさんに頼み二等車から一等車に変更してもらったが、座りっぱなしで疲れたのと時間がもったいない。
反対に自由旅行する人たちは飛行機では物足りないだろう。列車でなければ体験できない、見物できない風物が多い。しかし、運賃が安いが混雑する普通車に乗っての旅行は止めた方がよい。現地の人々は生活で乗っている。日本に比べ運賃は格段に安いので旅行者は旅行者らしく、ランクの高い列車に乗るべきである。ランクの高いクラスは面倒な指定席の手配やら切符購入とかの心配は色々あるだろうが、現地の人々になるべく迷惑をかけないのが、旅行者の礼儀であろう。


インドの食事は、香港のように美味しいわけではないが、まずくは無い。アメリカのランチと比べれ良いほうだ。
ビールも美味しい。もっとも日本では主にプリン体が少ない発泡酒を飲んでいる舌ではある。

次のインドは,何年後か分からないが退職してから東と南インドを廻りたい。

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